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丹野まさよしとがんばり隊

丹野まさよしとがんばり隊

22年一般質問2


平成22年2月議会一般質問概要

大項目2:地域医療体制の確立に向けて

丹野議員:二つ目は、「地域医療体制の確立に向けて」質問いたします。

 先ほども、第5次長期総合計画に係る市民意識調査について触れましたけれども、「市民がまちの環境の何を重視しているか」の設問で「医療体制の充実」とした回答が44.4%であり、飛びぬけているということはご紹介したとおりですが、行政の取り組みに対する満足度では、「医療体制の充実」に「不満である」が20%、「どちらかというと不満である」20.7%と約40%を越える方々が名取市の医療体制に不満を抱えている。

 さらに、「いま生活している地域で、医療・福祉施設が利用しやすいか」という設問に対しては、約55%が「利用しにくい」と回答しています。
そして今後、「名取市の生活環境改善のためにどのような施設の整備が必要と思うか」という設問に対して、1位は「街路灯・防犯灯」が38%だが、次いで「病院・診療所」が37.8%と高い順位に位置付けられています。
多くの市民が、今後のまちのあるべき環境として、医療体制の充実を強く望んでおり、「地域医療体制の確立」は、名取市の第5次長期総合計画の中でも大きなテーマとなると考えられる訳であります。

そこで一点目は、「第5次長期総合計画策定に係る市民意識調査では、医療体制の充実を求める声が大きいが、地域医療体制の確立に向けて、これまでの取り組みをどのように総括し、今後の第5次長期総合計画のなかで生かしていく考えなのか」お伺いいたします。

市長:地域医療の充実については、市民の健康を守ることから一次医療として、名取市医師会の協力のもと、土曜、日曜、祝日等に、休日夜間急患センターで診療をお願いしています。

 二次医療として、土曜、日曜、祝祭日等の救急搬送を平日の夜間も搬送できるよう拡大を図ってきました。
また、寝たきりの高齢者の方の歯科診療を、名取市歯科医師懇談会のご協力をいただき、診療を行ってきているところです。

 第5次長期総合計画は、現在策定中でありますが、議員ご指摘のとおり市民意識調査の結果や地区別懇談会、各種団体懇談会からの意見として、医療の充実を望む声が多く寄せられております。

 なかでも、1、総合病院の誘致、2、産科病院の誘致、小児科の拡充、3、救急・休日夜間の医療充実等に関する意見要望が出されております。
地域医療体制の充実につきましては、宮城県の地域医療計画における基準病床数や、医療機関側の考えなど、名取市の考えだけでは推進できない様々な課題がありますが、平日夜間の一次医療体制の対応など、可能なものから取り組んでまいりたいと考えているところであります。

 また、新たな計画においては、地域医療体制の整備とともに市民主体の生涯にわたる継続した健康づくり活動を促進する環境整備にも取り組んでまいりたいと考えているところであります。

 市民一人一人が健康で、安心しながら安全に生活できるよう望む一人でもありますので、これからも地域医療の充実を図れるよう献身的に取り組んでまいりたいと考えております。

丹野議員:いま市長も市の医療の現状について、三つの課題を挙げていました。
 総合病院、産科・小児科、救急病院。それが宮城県地域医療計画の中で基準病床数(ベット数)の問題で非常にハードルが高いという説明があったわけです。
 かつて「名取市に総合救急病院の誘致を」という陳情が1万7千余名の市民の方々の賛同とともに提出さましたが、いま御話があったようなことでクリアできなかった訳です。
 さらに、その後、県の地域医療計画の見直しの中で、これまでの岩沼医療圏から新たに仙台医療圏に吸収されたことにより、一層条件が厳しくなったということだろうと思います。

 確かに調べてみますと、仙台医療圏の基準病床数(ベット数)というのが1万1436床に対して、すでに、1万2395床で、995床も多いということで、総合病院等の新設はできないということでした。

 また、産科・小児科については、地域医療計画の中では、19床以下の小さな病院については特例的に認められるなっているが、現実問題として産科・小児科の医師のなり手がいない。特に宮城県は、子ども1万人当たりの小児科医の数が全国で8.4人に対して、7.7人と少ない。しかもそのほとんどが仙台に集中しているのが現状のようです。

 しかし、宮城県内でも将来の人口が増えることが予測され、まちとして成長期にある名取市にとって、産科医や小児科医の充実を期待する市民は多いのではないでしょうか。そのことが市民調査にはっきり表れているのだろうと思います。

 そんな折、河北新報に宮城県拓桃医療療育センターを移転新築する県の方針が示されたと大きく報道されました。2010年度内に、新センターの建設候補地や移転時期を含む基本構想を策定するとあります。

 さて、拓桃医療療育センターの資料によりますと、現在の拓桃医療療育センターは、小児科を専門にした整形外科、神経科、リハビリテーションなどの中核施設として1955年(55年前)に開設され、小中学生が治療を受けながら学ぶ特別支援学校や保育所が併設されており、医師、看護師、理学療法士と教員、保育士らが連携して障害を持つ子どもたちと家族をサポートしてきたとあります。

 また、入院患者の治療だけでなく、外来も2008年で1万5651人と多く受け入れているようです。中核医療機関の新設は難しくても、医療圏内の移転新築であれば基準病床数にカウントされないのではないでしょうか。

 そこで2点目は「県より移転新築の方針が示された「拓桃医療療育センター」の建設候補地に立候補すべき」について市長のご所見を伺います。

市長:拓桃医療療育センターの基本構想に関する件につきましては、過般2月初旬の新聞報道によってその内容を承知したところであります。

 この詳細について確認をすべく、県の担当課に問い合わせましたところ、基本的には新聞報道の通りであり、平成22年度において施設の将来の在り方を検討する有識者会議を設置し、施設整備の基本構想を策定していく計画であるとのことでありました。

 有識者会議の構成や検討項目、検討スケジュールなどは今後詳細を詰めていくということであります。

 医療養育センターは歓迎すべき施設ではありますが、その建設場所につきましては、あらたな施設の目指すべき方向性や整備すべき機能、関連施設との連携性、さらには利用者の方々の意見など総合的な判断のもとで決めるべきことであり、そのための有識者会議の設置ではないかと思料いたします。

 私としてもこのような施設の在り方の検討にあたっては、「場所ありきの議論」であってはならないと考えるものであります。
 以上のような」ことから、現時点においては、名取市が誘致に動くような状況にはないと捉えておりますが、本市の優位な立地性、広域的アクセス性、恵まれた自然環境など、その情報提供に努めながら、県における検討経過を見守りたいと考えます。

丹野議員:市長のほうから県の有識者会議の中でこれから検討されていくんだ。はじめに立地ありきではないというふうな御話がありましたけれども、私が集めた情報では、県のほうでは、初めに立地ありきで動いているようです。

 いろいろな動きがあるようですが、県立こども病院に隣接しようということで、この有識者会議がスタートしているかに聞いております。
しかし、これはおかしい。いま市長のほうから話がありましたように、この有識者会議が医療養育の質の向上を図るためにどうすればいいのか、というのがテーマのはずなんです。

 つまり、これまでに拓桃医療療育センターをそのままどこかに移転させようという話ではない。これまで以上に充実させて中核病院として位置付けていこうということですから、有識者会議には3つの課題を与えられています。

 一つは、医療・療育の質の向上を図るにはどうするか。それから、障害をもつ子どもと家族の支援体制の強化を図るにはどうするのか。そして、老朽化しておりますので、建物の安全性確保の点から新施設の在り方をどうあるべきなのかという観点からこれから1年間かけて情報を集めてやるんだということなんです。

 しかも、先ほどわたしは、子ども病院の話をしましたが、宮城県の地域医療計画には、今後の宮城県の小児医療の目指すべき方向として方針がきちんと出ているんです。何と書いてあるか。

「宮城県地域医療計画」によると、今後の小児医療の目指すべき方向として、
「小児科を標榜する診療所が(県内には)多数あり、全医療圏において初期医療体制はほぼ構築されており、住民からはこれらを支援、連携する病院(いわゆる中核病院)が身近な地域に存在することが求められていることから、小児科医療資源の集約化は行わないこととします。」とあるんです。

 ということは、いま立地ありきで進んでいる拓桃医療療育センターの移転先が、仮にうわさ通りであれば、子ども病院と隣接することは集約化にあたるんだろうと私は思います。

 私は名取市として、「宮城県地域医療計画とは違うのではないか」ということを、申し上げるべきだと思うんですが、その辺の考え方についてはいかがでしょうか。

市長:小児医療の問題は非常にデリケートな問題があろうと思っています。宮城県が鳴り物入りで作りました県立こども病院についても、当初の目的通りの運営がなされてないという状況にあります。

 ただ、宮城県に限らず、東北地方のなかで難病対策であったり、(子ども専門の)高度な医療機関として、子ども病院が本来の機能を発揮すべく、新たな一歩を踏み出すべきであろうと考えております。そういった中で、今回の拓桃医療療育センターの問題もリンクしていることであろうと思っています。
確かに、方針として一極集中ではまずいというのはわからないわけではありません。
 ただそのことによって、難病治療が本来の目的を達成できないという現状も打開していかなければならない。そういったことを総合的に判断していくべき課題だろうと思いますし、有識者会議の中で協議になっていくことだろうと考えております。

 確かに、名取市として地元に来ていただきたいという気持ちは十分にありますけれども、そのことよりも家族を抱えて大変な苦労をしている難病患者をどうするのか、そしてまた、そういった治療の施設を充実していくか、こういった広義的な考え方のもとに施策が進められていくべきと考えておりますのでご理解をいただきたいと思います。

丹野議員:いま市長のほうからそういう話がありましたけれども、一方ですね、私は、現在、拓桃医療療育センターで学ぶ子どもたちの父兄の方々にも話を伺いました。また、かつて拓桃園で教鞭をとられていた教員の方々にも話を伺いました。

 そういった中で、(仮定の話になりますけれども)子ども病院と拓桃医療療育センターが隣接することについて、どう思うかというと、どなたに聞いても「進むべき方向が違うのではないか」という声が聞こえてまいります。
むしろ、拓桃医療療育センターが現在持っている、医療と教育という機能に福祉という分野を膨らませて、新たな構想を作るべきだという意見が多いのであります。

 そいった構想を提言する機会を積極的につくり、名取市としては(県に対して)働き掛けるべきではないかと思うんです。

そこで3点目ですが、「平成17年6月に寄付された愛島台ニュータウンの広大な市有地に、拓桃医療療育センターを核として、医療・教育。福祉が一体となった福祉の里づくりを進めるべき」についてご所見を伺います。

市長:拓桃医療療育センターの基本構想に向けた県の動きにつきましては、先ほど答弁したとおりでありまして、総合的な検討の中で移転場所も検討されるべきものと捉えておりますが、市として本市の優位な地域特性などについて、情報提供に努めてまいりたいと考えております。

 ご質問の趣旨が、「拓桃医療療育センターを愛島台に誘致し、その施設を核とした福祉の里づくり」ということであり、仮定の話でありますので本議場の場において深く言及するのはどうかという感もいたしますが、仮に議員ご提案の状況になった場合は、指摘の点を踏まえた検討を行う必要も出てくるのでないかと思料いたします。

 なお、愛島台の市の管理地の在り方につきましては、全体計画の継続を基本としながらも、現下の厳しい経済状況などを踏まえ、地域の方々、そして名取市にとって望ましい土地利用の在り方について、地域の方々と意見交換を行ってきた経過もあります。

 あくまでも一つの考え方つぃて、「住宅と働く場が近接するまちづくり」として工業用地としての活用について、市として提案を行った経緯もあります。
この土地の活用につきましては、地域住民とのコンセンサス形成、都市計画上の用途の問題など、市の判断だけでは進められない課題もありますが、これまでの計画に縛られることなく、あらゆる可能性を今後も模索してまいりたいと考えているところであります。


丹野議員:市の優位性の情報発信に努めたいという話がありました。
先ほども関係者の方々のお話をご紹介しましたけれども、拓桃医療療育センターの理想とは、現在の小学校中学校までとなっている教育課程を高等部までの延長し、さらに、就業訓練のための教育機関や作業所、そして、グループホームまで、(障害を持った方が)自立に向けて一貫した生活環境が一つのところにあることではないかと私は考えています。

 もうひとつは、国の方向として肢体不自由児の子どもと知的障害を持つ子どもたちの支援学校が統合の方向にあるのではないのかと私は捉えております。
県の「特別支援学校教育環境整備計画」でも、知的障害のある児童生徒の増加に伴う教室不足を解消するため、2016年までに2校を新設するほか、高舘の名取養護学校(支援学校)を含め5校で増改築するとしている。これも大きく新聞で報道されておりましてけれども、とすればですね。むしろ、愛島台の恵まれた自然環境と広大な市有地を使って、拓桃医療療育センターと一緒に小学校から高等部までの特別支援学校を誘致していくと。総合的に一貫したものを作り上げていく。という発想があってもいいんです。これまで(庁内で)そういった建設的な議論が行われたということはなかったのでしょうか。

市長:これらについて、具体的に検討したことはございません。
 ただ、宮城県のほうで計画しております福祉、教育の総合センター、これは美田園駅前に平成25年までの間に作っていく予定にしていますけれども、これは宮城県の中での教育福祉の拠点になっていく。これらとの整合性をどう図っていくのか、できるならこういったところに取り込んでいくことが可能であるならば、非常に交通の利便性の高いところでありますし、県内からおいでいただくには便利な場所になっていくだろうという思いはあります。愛島台についての利用というと、まだまだいろいろなハードルがあるので、これについての具体的な検討というのは行っていません。

丹野議員:美田園地区にできるであろう県の総合福祉センターが、どんな役割と機能を果たすのかを注目しながら考えていきたいという話であったと思いますが、私は、21年6月議会の一般質問で「授産施設や福祉作業所などの福祉的就労の受け皿づくりを進めるべきだと」質問いたしました。
市当局からは、「施設整備については、県も含めた広域で考える問題であり、とても市単独では限界がある」という答弁がなされました。現実は、いくつものハードルを越えなければならないのだろう。と私も考えておりますけれども、だとすれば、まずはどんな方法でもいいから、課題を解決するために、一歩を踏み出してみることが大切なのではないかと私は感じております。
いま、私ひとりの夢物語と聞こえるかもしれませんが、「拓桃医療療育センターを核に地域の医療・福祉体制を充実させたい。」そのことをだけでも、大きく夢は膨らむ訳であります。そして、ただ、夢のような話で終わらせるのではなくて、もし、可能な方法が一つでもあるんであれば、それに向かって努力をしていかなければならないだろうと私は思っています。
そういった意味で、これから始まるであろう拓桃医療療育センターの基本構想、それから特別支援学校環境整備計画に市として一石を投じていくという姿勢をぜひ持っていただきたいと思いますが、それについてはいかがでしょうか。

市長:先ほどの答弁でも申しあげたように、名取市の状況について、情報を提供しながら、努めてまいりたいと考えております。

丹野議員:拙い一般質問で終わってしまいましたけれども、是非、市当局のこれからのご努力をお願い申しあげたいと思います。以上で、私の一般質問を終了いたします。


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